報道番組とは?

 昨日のニュースで、長崎の小6同級生殺害事件があった学校で、卒業式があったというものがありました。
 私はこのニュースをテレビで見たのですが、ニュースの映像は、どこのテレビ局もだいたい、被害児童のお父さんが、生徒たちの座る席に遺影を置いたり、娘に代わって卒業証書を受け取ったりと言うシーンや、卒業生が声を揃えて答辞を読むシーンなどが流されていました。
 そのニュースを見て、まろんの心に引っかかったのは、同じくこの日、卒業を迎えるはずだった、加害者の存在でした。
 もちろん、人を殺したことは簡単に許されるべきことではないんだけど、答辞で「私たちは笑顔を取り戻すことが出来ました」と声を揃えた同級生たち、そして、そのセリフを用意したであろう教員たちにとって、加害者ってどんな存在になっているのかな? って、かなり複雑な心境になったんです。
 。。。が。
 今日の毎日新聞に、こんな記事を見つけました。 
 
 ※卒業アルバム:最後のページは白紙 佐世保・大久保小※
 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050318k0000m040138000c.html
 
 この記事を読んで、はじめて、この卒業式についての報道が完結した気がします。
 近年、加害者ばかりが保護されて、被害者の人権は守られていない、という声をよく聞きます。
 もちろん、そういう現実もあるのでしょうが、だからといって、今度は加害者についてをまったく無視したような報道の姿勢というのにも、疑問を覚えます。
 片手落ちではいけないと思うんですよね。
 昨日のニュース番組の取り上げ方は、象徴的な映像だけを切り取って、瞬間的に感情に訴えるものはあっても、情報を届け、視聴者に真の意味での事件の重みや社会的な問題を考えさせる、と言う部分に、大きく欠けていたと思うんです。
 もちろん、時間的な制約があるということは分かります。
 けれど、底の浅いニュースをいくつも並べるよりも、本当に重要なニュースを、もっと掘り下げて、しっかりと伝える努力というのが、これからの時代には必要なのではないでしょうか?
 そうでなければ、ホリエモンではないけれど、テレビの未来なんてないのかもしれないな、と、私は思いました。